VOLT (2014年5月掲載)

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体を変える「水素」のチカラ

水兵リーベ僕の船…学校の科学で習った周期表の最初にくるのが水素。元素の中で最も軽くて小さい事は知っていたが、このありふれた物質に特別なチカラがあることがわかってきた。詳しく説明していこう。

知っておきたい水素の正体

健康医療の分野やアンチエイジングの世界で、いま「水素」が注目を浴びている。いや、大注目されていると言っていい。研究や臨床による驚くべき報告が、医療現場や大学の研究機関、美容業界などから続々と集まってきているのだ。

「水素を体内に取り込むことによって動脈効果や脳梗塞、糖尿病、歯周病などの良化、メタボの抑制、各種アレルギー症状の緩和、慢性的な肩こり・腰痛・リウマチの軽減、疲労回復力の向上、しみ・しわ、アトピーの減少など、他にも様々な身体的不調の改善結果が報告されています。長年の持病が解消したケースも少なくありません」と、日本医科大学教授の太田成男氏は語る。

太田教授は世界における水素研究の第一人者で、2007年に世界的権威を誇る医学雑誌『ネイチャーメディシン』に水素の効果の研究論文を発表。太田教授の論文以降、世界各国で臨床試験が行われ、学術論文などを通して、水素のはたらきによる驚異的な健康効果が報告されているのだ。

『水素は特別なものではありません。自然界にも存在しています。空気中にも200万分の1くらいは含まれています。人体に対して毒性はなく、体に取り入れても副作用はありません』(太田教授)

あまりにも目覚しい成果のため、つい最近までは、その効果に疑問符がついていた。しかしここにきて、東大、京大、慶応大、順天堂大などでも水素の研究が本格的に進められ、また最先端の医療現場でも、水素を利用した治療方法が続々と採用され始めている。

いまや水素の効果を評価する時代は終わり、今後どう水素を取り入れていくべきなのかという時代にシフトしているのだ。私たちもこれからは水素のチカラにも目をむけ、耳を傾けてみるべきだろう。

悪玉活性酸素は老化を引き寄せる

われわれ人間は活性酸素から逃れることはできない。普段の生活の中でも、体の中に活性酸素は作られている。

「体内細胞の一つひとつには、ミトコンドリアという小器官があります。このミトコンドリアが筋肉や臓器を動かすエネルギーを作り出しています。ミトコンドリアが働くには酸素が必要で、だから私たちは日々呼吸をしながらミトコンドリアに酸素を供給しています。取り込まれた酸素の約1-2%はミトコンドリアがエネルギーを作り出す過程で、同時に活性酸素を作り出してしまうのです」(太田教授)

活性酸素の酸化力はすさまじく、健康な細胞にダメージを与える。そしてさまざまな病気や老化現象を促進させるのだ。

例えば、循環器系(動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞)、脳神経系(認知症、パーキンソン病)、呼吸器系(喘息、肺気腫)、皮膚(アトピー、しみ、しわ)、腫瘍(ガンの発生や転移)、眼科(白内障)、消化器系(肝炎、胃潰瘍)、そのほかにも血液系や泌尿器系の病気、リウマチ、花粉症、歯周病など、ここに挙げた以外にも、多くのトラブルに活性酸素は原因として関わっている。
つまり、活性酸素を除去することができれば、体は変わる事が出来るのだ。そこで水素の出番なのである。

あなたは大丈夫?活性酸素発生度チェック

活性酸素を大量発生させてしまう要因が左に挙げた10個の習慣だ。該当する数もさることながらチェック項目の順番は活性酸素を生み出す危険性の高いものから並べているので、その点にも気をつけながら自己診断していただきたい。


□タバコを吸う
□早食いである
□ストレスがある
□酒の飲みすぎ
□歯周病
□不規則な生活
□急激な無酸素運動
□紫外線をよく浴びる
□電磁波に囲まれている

 

水素の効果は魔法ではない

東京四谷にある「辻クリニック」はアンチエイジングと予防医療に対するアプローチ方法として、水素点滴や水素注射などを使った根本治療を行っている。

「医療現場の最前線に立っているので、興味深い知見を得られることも多い。例えばがん患者に水素点滴をすると、呼気から30分ほど水素が検出されない。体内の活性酸素を消去し終えたあまりの水素が呼気として出てくるので、つまり水素がなかなか余らないくらい活性酸素が体内で発生していることがわかるのです。健康な人なら点滴してから2.3分で呼気から水素が検出できます」と辻院長は説明する。

体内で常に起こっている「酸化と還元」

人は常に、酸化と還元の中で生きています。酸化とは酸素が加わること。中性というのは酸素と水素がくっついて水になる事です。私たちの体は酸素を吸って活動している以上、活性酸素が生じて常に酸化に傾く。その分本当は水素を足さなきゃいけない。酸化を中和させるためです。

水素が活性酸素を消去するのは奇跡でも魔法でもなく、当然のこと。悪玉活性酸素に水素が選択的に効果を示す事実は、あまりに都合よすぎるので疑わしいと思う人もいるのですが、それもたまたま水素が悪玉と呼ばれる活性酸素に働きかけるだけであって、結果論として水素は優れているという事が判明しただけなのです」

錆びた体を回復するのが「水素」

水素なんて怪しいといっている人ほど、基礎化学の知識が乏しいと辻院長は言うのだ。
辻クリニックには、誰もがその名を知るトップアスリートが何人も訪れ、水素療法を利用してコンディション維持につとめている。

「体が酸化に傾くと、あらゆる病気を誘引します。特に酸素を沢山取り込むアスリートの場合は、活性酸素も沢山生み出すので怪我や故障を起こしやすくなります。そこで水素を投与し、サビかけた体を回復させているのです」

水素が体調を整え、病気や怪我を遠ざける。いまや常識なのである。